技術資料(海外)


『歯科インプラント』



出典:WIRED/2002年6月21日記事
筆者:Lakshmi Sandhana
翻訳:NPOテクノロジー犯罪被害ネットワーク会員

Excuse Me, Is Your Tooth Ringing?

失礼ですが、歯が鳴っていませんか?

     
補助的、基本的な歯科的処置により、無線レシーバを歯にインプラントできます。このインプラントにより、無線や携帯電話から、自分自身の頭部の奥からデジタル信号を受信できるようになります。

補助的、基本的な歯科的処置により、無線レシーバを歯にインプラントできます。このインプラントにより、無線や携帯電話から、自分自身の頭部の奥からデジタル信号を受信できるようになります。

もうすぐ「歯に何か届いている」といったフレーズが、根管手術の恐怖を呼び覚ますことなく、最新のウェアラブル無線技術のことを意味するような時代が到来するでしょう。

無線や携帯電話からのデジタル信号を受信する新型の歯のインプラントが、この金曜日からロンドンの科学博物館で公開される予定です。

MIT Media Lab Europeの研究員ジミー・ロイゾー(Jimmy Loizeau)とジェームズ・オーガー(James Auger)によりコーディネートされた、科学博物館とRoyal College of Artとの今回の共同研究は、若い才能を公開することで大衆の科学と技術、芸術に対する理解を高めることを狙いとしています。「未来の製品」の展示部門は、National Endowment for Science, Technology & Arts(NESTA: 科学、技術と芸術のための国家基金)が支援しています。

「両研究員のコーディネートにより、我々の体内のバイオテクノロジーを使って、我々はどの程度までの進化を希望しているかといった、現実問題の一端が明らかにされました。可能性は無限です」このように述べるのは、NESTAプレスオフィサーのジョー・ミーニー(Joe Meaney)です。

顎の骨をアンテナ、頭部をレシーバとして活用することで、新しく拡張した歯からパートナーを起こさずに目覚まし時計を聞いたり、好きな音楽を聴いたり、ゴルフの最中に株式市場の模様を知らせてもらったりできるのです。

この技術は、比較的マイナーな手順で搭載できます。通常の歯科処置の際に、微振動デバイスと無線レシーバを自然歯にインプラントするだけです。

音は骨の共鳴により、歯から内耳に伝送されます(デジタル信号の音響への変換)。歯が鳴るのが不安な人のために、音響の受信については、外部からの完全な隠蔽が保証されます。「振動は分子レベルで起こるため、利用者は純粋なサウンドストリームのみ意識できます」とロイゾーは述べています。

このインプラントは、専用のデバイスあるいは改造された携帯電話と連動して作動するように設計されています。遠くの信号を拾い、局所的な信号を歯のレシーバに伝える機能を持つものです。ケーブルは利用者の要求に合わせて完全にカスタマイズされるため、専用のデバイスを使って、自分の意思で受信をON/OFFにできます。

「不要な音響情報が直接利用者の脳に届くのは、テクノロジーによる統合失調症と似たようなものです。このため、最大限のコントロールが欠かせません」とオーガーが述べています。

今のところ、歯はレシーバとしてのみ機能しています。「基本的に、音を伝えるには、まず音を作り出さなければなりません。発話では、インプラントの秘匿的性質が(無意味なものになります)」とロイゾーも言っています。

大量に楽しみたい方なら、何本の臼歯にでもこの技術を埋め込むことができます。インプラントにより複数の歯から音が発生すれば、「サラウンド」効果が実現し、多くのスピーカーを搭載したカーステレオのような気分も多少は味わえるでしょうか。

最小限のハードウェアで済むこのインプラントは、コストが非常に低く見積もられ、歯科処置も非常に基本的であるため、比較的安価で治療できます。健康上の問題も、携帯電話の使用による問題と同じ程度の仔細なもので、歯は近い将来においては利用性の高い市場と期待されています。

誰もが頭で声を聞きたいと考える理由は何でしょうか?

「競走上の優位性という、“ダーウィン的”優位性が利用者にもたらされるのです。ただし突然変異ではなく、選ばれたものですが」このようにオーガーは述べています。「我々も、バイオニクス(生体工学)と人類の進化後を巡る倫理的な論争には、非常に高い関心を寄せています。」

http://www.wired.com/science/discoveries/news/2002/06/53302